| 大沢 小平先生が音楽の道に進まれたきっかけといいますと。
小平 父が小学校の音楽教師で、母が幼児向けの音楽教室でピアノを教えていましてね。その影響を受けて私も音楽には慣れ親しんで育ちました。子どもの頃から本格的にピアノを習ったのですが、ピアノ以外にもラテン音楽のリズムなどを聴いていましたから、私の独特な趣向はそこから芽生えたように思います。
大沢 独特な趣向というのはどのようなものなのでしょうか。
小平 中学生の頃から、クラシックだけではなく自分のオリジナルな要素が入った音楽を表現したいと考えるようになったんですよ。両親がやっていた日本歌曲やクラシックが中心の音楽に反発していたのかもしれません。型にとらわれず自由にやりたいという気持ちが強かったのでしょう。また、高校時代から良い先生と出会い、作曲の勉強をさせていただきました。中学時代には民族主義音楽を、高校・大学時代にはジャズ・エスニック音楽をよく聴いていましたね。現在は和太鼓や横笛、ケーナなども演奏するんですよ。
大沢 教室ではジャンベなども教えていらっしゃるのですか。
小平 ええ。和太鼓・ジャンベサークル活動のリーダーや、オカリナ、ピアニカなどの指導にあたっています。教室だけでなく、小学校や中学校の総合学習でも講師を務めていますし、教室の発表会では生徒の皆さんと一緒に演奏するんですよ。また、自らピアノ・ピアニカ・笛主体のライブ演奏活動も行っています。
大沢 様々な楽器が演奏できて、音楽を楽しめるなんてうらやましいですね。
小平 楽器はそれぞれに演奏の仕方が違い、表現方法が異なるんですよ。しかし、それぞれがひとつの音楽ジャンルを奏でるという共通点を持たせると、様々な楽器が集まった時には多様性と統一感が生まれます。現在はジャズのルーツとなるブルースの音楽スタイルに力を入れていましてね。同じ曲を演奏する時でも、楽譜通りに演奏するのではなく、ジャズによく見られる即興演奏のようなアドリブを実践しているんですよ。共に演奏する相手との音の共鳴や気分の高低など、緊張と緩和のバランスが大事です。リズムや音階の理論を理解していないとできない技術もありますが、遊び心や勇気を持って自由に経験を積むことも大切ですね。
大沢 ブルースがお好きなんですね。
小平 ええ。ルーツ音楽としてのブルース・アフロ音楽やジプシー音楽に特に傾倒していますよ。一般にジャズピアノ教室は多いですが、ここではブルースピアノを専門に指導しています。日本ではブルースピアノに注目している人が少ないこともあり、専門に教えるところはほとんどないでしょうね。しかし現在はアメリカでも教えているところは少ないと聞きました。私のような日本人がブルースに共感するのは、ブルースの音階が日本の民謡の音階と共通性を持つからだと思います。どんな民族音楽も、初期の音階というのは共通性を持っていますから、ブルースを日本の篠笛で演奏することも可能です。自国の楽器の特色を活かし、セッションをしたり、アンサンブルで共演するんですよ。
大沢 大変幅広くご活躍している小平先生ですが、今後取り組もうと考えていることはありますか。
小平 人と同じことはしたくないと日頃から考えており、それが私の口癖でもあるんですよ。私は今後、ブルースや日本の音階をもとに、様々な楽器に対応させて自作自演し、それを皆さんに聴いていただいて、音楽の幅が広がることを紹介したいと考えています。教室の生徒さんには自分の好きな楽器を仲間と演奏して楽しんでもらっているんですよ。また、皆で地域のイベントにも参加して演奏しています。生徒さんたちは、教わるというよりは一緒に楽しんでいるという感じですし、私自身も教えるだけではなく、生徒さんを含め地域の人々と音楽を楽しみたいですね。
大沢 先生にとって音楽とは。
小平 生活の一部が音楽です。生活することや生きることそのものを音楽で表現したいですね。躍動感のある元気な音楽もいいですが、聴いた時にもの悲しいけれどどこか懐かしく感じる、そんな音楽を演奏し、聴く人に共感してもらいたい。殺伐とした時代ですから、音楽を通じて皆が元気になれればと思うんですよ。また、時間がある限り生徒さんたちが楽器を楽しめるようにしっかり指導したいですし、私自身もその中でエネルギーをもらって自分の糧としたいですね。
大沢 では、最後に夢を聞かせて下さい。
小平 生徒さんや自分の仲間たちとユニークなコンサートや楽しいライブなどを開催し、皆と共に喜びを分かち合い、CDなどの記録にも残したいと考えています。教室ではサブリーダー的な存在を育てることができれば、より順調に教室運営を進めることができるでしょうね。また、日本の伝統・民族音楽を広く知ってもらう活動にも少しずつ取り組みたいです。さらにここ流山市が、文化都市・流山としてより発展するために、自分自身もそれに向かって何か大きなプロジェクトやムーブメントを展開できたらと考えています。
大沢 本日はいいお話をありがとうございました。これからも頑張って下さい。
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